ニチハ写真コンテスト
NICHIHA SIDING AWARD 2016 ゴールド賞受賞
住宅でないような家にしてほしい
「周辺の目印になるような家」を設計してほしいとご依頼いただきました。一緒に土地を探させていただき、ここと決めた場所は文字通り街区の入口部分に当たる一番目立つ場所でした。周辺は自然が多く、敷地もゆったりとしているためとても開放的な場所でした。
少し閉じた建物を設計することでお施主様のプライバシーを確保しつつ、一番の要望である特徴のある外観が作れるのではないかという直観がまず第一に働いていました。
まず囲う、そして開く
プライバシーの確保は設計する側には非常に悩ましい問題です。特に周辺環境の良い場所では、閉じつつ開くという矛盾した思考をすることになります。大きな窓を取りたいのだけど、外から丸見えは嫌だ。と誰しも考えます。そこでまず初めに開いても問題ない方向に開くこと、つまり空に向かって開くことを考えました。中庭を建物の中心に設計し、あとは敷地をじっくりと観察し、高低差を利用しながら半地下のような部分を設けたり、特徴的な天井を設計したるすることで外部からの視線が直接内部へと向けられにくい工夫を施しました。
コストも管理するという感覚
設計が進み空間重視で進めてきた分、大きな壁が立ちはだかりました。総工費です。当初の段階では、オーダーサッシを使ったり、外壁は塗り壁やタイルを使ったりして特徴的なデザインに仕上げようとしていました。ここまで作り上げた空間を大事にしたいということで、お客様とも十分な話し合いを行い、既製品を使いながらも設計事務所らしいデザインをする方向にまとまりました。外壁はサイディングのみを使いまとめています。サッシも住宅用の既製品の配置を工夫して設置しています。
段差をつかいながら場所を分ける
最近はバリアフリーという考え方が主流で、家の中には段差を設けません。ただしこの住宅は段差だらけです。キッチンは舞台のようになって、リビングは掘りごたつのような感覚です。この段差を利用して半地下収納も作ることができました。家族ひとりひとりが同じ部屋に居ながらも、読書をしたり、テレビを見たり、料理をしたり、色々な時間の過ごし方ができるそんなLDKが実現しています。
今後の展開
デザインだけでなく、生活の仕方やコストの分配の仕方も合わせて相談にのることができます。この住宅のように建築関係のコンテストにも応募することを視野に入れて、日々努力をしておりますので、一緒に受賞を目指したいという方はぜひ一度ご相談ください。