一級建築士事務所 別枝大輔建築研究所

建築作品ギャラリー

Dog Run Garage

車庫と庭の設計

車3台分の駐車スペースとドッグランとして使える庭の設計を依頼いただきました。すでに母屋が建っている案件で、雰囲気を合わせて欲しいということがお施主様のご要望でした。別枝大輔建築研究所ではシンプルなデザインを専門としていますが、一つのチャレンジとしてお請けすることになりました。

ドッグランとガレージを組み合わせて考える

今回ご依頼いただいたドッグランと車庫はどちらかというと閉鎖的な機能を持ちます。ドッグランは犬が脱走しないような工夫が必要ですし、車庫も車をしっかり格納できないといけません。ドッグランとしての適度な広さを保ちつつ、囲われたスペースを確保するために、車庫の配置に最大限の注意を払いました。道路側から3mセットバックさせることでアプローチ空間を確保し、レストランに訪れた時のようなゆとりのある空間づくりに配慮しました。

ガレージを門(ゲート)として捉える

またガレージの一部の通り抜けられる通路に勾配天井を採用し、外と中を行き来する際に「くぐる」という空間体験を味わえるように演出しました。この「くぐる」という行為を通して、家の中と外を分けるような境界をデザインしました。

材料はなるべくフラットで、照明によって陰影をつける

材料選びは母屋と一緒のものを選ぶ方法もありましたが、まったく逆のなるべくシンプルなもの、凹凸の大きくないものを選ぶように心がけました。タイルや塗り壁の仕上げは、シンプルであっても多少の凹凸があります。それを照明によってより浮き上がらせることで、昼と夜のガレージの表情を変える試みをしています。

人工の材料も組合せ次第

庭の工事でいつも悩む部分が地面の仕上げです。今回は人工芝とインターロッキングを採用しています。人工芝は自然の芝に比べると偽物感が出てしまいます。今回はなだらかな築山と貼方向をそろえることで規則性を付加し、デザインの一部をして見られるように工夫しました。石貼りのように見える部分もインターロッキングを採用することで、雨で濡れても滑らない地面となりました。水分を多少保持できるので真夏のヒートアイランド対策にもなります。

ペットと趣味が両立する家をめざして

今回の案件で大事に考えたのは、人とペットの関係です。お施主様のペットに対する愛情はとても深く今回の計画の中心です。ただこの計画によって家や庭のメンテナンスが増えるようでは本末転倒です。ペットと暮らす時間と趣味の時間も確保できるような設計だったと振り返っていただければとてもうれしいです。

物件番号
No. 00008
竣工年月
2017年3月
延床面積
56.25m²
総工費
1,500万円
工法
木造平屋建て

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