一級建築士事務所 別枝大輔建築研究所

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C Nursery School

築港の保育園

企業主導型保育所
この保育所は、平成28年度より内閣府が進めている「企業主導型保育事業」にもとづいて設置される保育所となっています。地域の企業がつくる保育所であり、地域の子供の受け入れ(利用定員の50%以内)も可能であることから、現在待機児童対策の切り札として今後の展開が期待されています。会社の福利厚生(職場で働くお母さん達の仕事環境改善)のため、保育所の計画はお施主様の強い希望であったそうです。

用途変更
計画は、鉄骨造2階建ての店舗の2階です。もともと会議室や倉庫として使用されていた部分を「保育所」へ用途変更しました。築25年の建物であり、図面・確認済証・検査済証もきれいに保管されていたため申請関係の準備はスムーズに進めることができました。ただ構造的には店舗から保育所への変更で積載荷重が不利側に変更になるため、構造計算書を探してチェックを行いました。既存建物はゆとりをもった計画をしていたので、今回の変更は可能であることを判断し、実行にうつることとなりました。

二方向避難
当初現場を見てから避難経路の確保が出来ていないことが最重要検討事項でした。行政との打合せを行い新たに鉄骨階段を設けることで、この問題をクリアし安全な保育所計画が実現することになりました。

平面計画
今回の保育園は少し珍しい「一室空間」のプランを採用することにしました。運営上の問題、避難通路の問題、採光の問題を「一室空間」というプランでまとめて解決しています。子供たちが自由に走り回れる広さを確保することで活気のあるにぎやかな保育園を目指しました。また地域の成長に合わせて、預かれる子供に柔軟にプラン変更できることも視野に入れております。「地域のライフステージ」に合わせた保育園として地域に根差していくことをコンセプトに据えています。

今後もこのような地域貢献型の保育所は増えていくと思います。今回の計画は1階がスーパーマーケットであり、お迎えに来たお母さんが晩御飯の買い物をして帰れるというメリットがあります。保育所単体ではなく、その地域に必要とされる施設と複合型の計画の魅力を感じたプロジェクトとなりました。

今回の計画に関わった人たちからはたくさんのことを学ぶことができました。ありがとうございました。

PHOTO by 松尾浩靖(FIVE GRAPHICS)

 

物件番号
No. 00009
竣工年月
2017年8月
延床面積
324.26m²
工法
鉄骨造2階建ての一部

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